1. まずは「副業」か「転職」かを明確にする
プログラミングスクールを選ぶとき、最初に立ち止まって考えたいのが「自分は何を目指して学ぶのか?」というゴールの部分です。
よくあるのが、こんなパターンです。
SNSで「このスクールで転職成功しました!」という声を見て受講を決めたけど、実は自分は副業目的だった。実務寄りの内容が多く、案件獲得にもつながらず、途中でフェードアウト…。
スクールにはそれぞれ設計思想があります。副業向きか、転職向きか。それが自分の目的とズレてしまうと、せっかくの努力が遠回りになってしまいます。
スクールの目的別に、学ぶべき内容も大きく異なります。
目的 | 向いているスクールの特徴 |
---|---|
副業 | Web制作や自動化系のスキル、クラウドソーシングを想定したカリキュラム。案件獲得支援まであるとベター。 |
転職 | チーム開発、設計・テストの経験を積める。ポートフォリオや面接対策がセットになっていると安心。 |
副業を考えているなら、「実際に案件として通用するスキルが身につくか?」「学習と並行して営業や応募のサポートがあるか?」という観点が重要になります。
一方、転職が目的なら、「企業が評価するポートフォリオを作れるか?」「キャリア相談や求人紹介が受けられるか?」がチェックポイントになります。
気をつけたいのは、「副業も転職も対応」と書いてあるスクールが、どちらも中途半端になっているケースもあることです。実際には片方に偏っていたり、明確なゴール設定がないままカリキュラムが進んでしまうこともあります。
チェックしておきたいこと:
- 自分は「副業」と「転職」のどちらを目指しているか?
- その目的に直結するスキルやサポートがあるか?
- スクールの「卒業後サポート」は、自分の進みたい道に合っているか?
僕自身も、「なんとなく稼げるようになりたい」というふわっとした状態でスタートしたことがあります。でも、目的を明確にしてからは情報収集も選択肢もずっとクリアになりました。最初の1歩だからこそ、ここをあいまいにしないことが何より大切です。
2. 学べる技術が「今の副業ニーズ」に合っているか?
スクールを選ぶとき、「どの言語を学べるか」だけで判断してしまう人は多いです。でも、副業として稼ぐことが目的なら、もう一歩踏み込んで考える必要があります。
それは、「そのスキルで、今どんな案件が実際にあるのか?」という視点です。
たとえば、Pythonは人気の言語ですが、初心者向けの案件は意外と少なく、仕事に結びつけるにはステップが必要です。逆に、HTML/CSSやJavaScriptを使ったWeb制作案件は、クラウドソーシングを中心に常に一定数あります。つまり、「稼ぎやすさ」は習得する技術によって大きく変わるということです。
よくある例で言うと、
「スクールでReactを学びましたが、案件はWeb制作がほとんどで、どこにも応募できなかった」
「Pythonを学んだけど、仕事にどうつなげればいいのか分からず止まってしまった」
という声は決して珍しくありません。
そこで大切なのは、学べる技術が**“今ある案件ニーズ”とつながっているか?**を事前にチェックすることです。
目安として、分野ごとにこんな違いがあります:
分野 | 主な技術 | 副業案件の特徴 |
---|---|---|
Web制作 | HTML / CSS / JavaScript | 難易度は低め。最初の1件を取りやすいが競争も多い。 |
アプリ開発 | Flutter / Swift / Kotlin | 高単価だが習得難易度も高め。ポートフォリオが必要。 |
自動化ツール | Python / GAS / Selenium | 業務改善系の需要。継続契約につながることも。 |
特に副業では「最初の1件を取れるか」がモチベーション維持に直結します。だからこそ、自分の目指す分野と、スクールのカリキュラムが一致しているかどうかは、スクール選びの中でもとても重要なポイントです。
チェックしておきたいこと:
- その技術で、具体的にどんな副業案件があるか?
- 案件獲得までの流れがカリキュラムに含まれているか?
- 初心者がそのスキルで受注できる現実的なルートが用意されているか?
副業は“技術力だけ”では成立しません。「その技術でお金をもらえる仕組み」まで含めて考えられているスクールかどうか。それを見極める目が、学習の成果を変えていきます。
3. 実績は「数字」より「中身」で見る
「受講者数3万人突破」「案件獲得率90%」といった実績の数字は、つい目を引きます。でも、スクールを選ぶうえで本当に見るべきなのは、その数字の“中身”です。
たとえば、「受講後に案件を1件獲得した」という事例が紹介されていたとします。一見すごく見えるかもしれませんが、その案件がどんな内容だったのか、いくらで受注したのか、継続して案件を取れているのか――こういった情報がなければ、判断材料としては不十分です。
よくあるケースとしては、次のような声があります。
受講後すぐに簡単なバナーコーディングの案件をクラウドソーシングで取れたけれど、それ1回きりでその後はずっと応募しても通らない。結局、継続収入にはつながらなかった。
副業で大切なのは、単発の成功ではなく、続けられる力が身につくかどうかです。だからこそ、「その後どうなったのか?」まで含めて実績を見る必要があります。
また、卒業後にどうサポートされるかも実績の一部です。受講生同士がつながるコミュニティや、案件紹介の仕組みがあるスクールは、学び終えた後もステップアップしやすい環境が整っています。
数字の大きさよりも、そこにどんなストーリーや仕組みがあるか。ここを丁寧に見ていくと、スクールの実態がぐっと見えてきます。
チェックしておきたいポイント
・案件獲得事例は、単発ではなく継続性があるか
・どんなジャンル・報酬の案件が紹介されているか
・卒業後も活動を続けている受講生の発信があるか
・コミュニティや案件紹介など、卒業後のフォローがあるか
自分に合ったスクールを選ぶには、「何人が成功したか」ではなく、「どんな風に成功しているか」を見る力が大切です。それが、あとで後悔しないための判断軸になります。
4. メンターの質は、副業スキルに直結する
プログラミングスクールを選ぶとき、カリキュラムの内容や料金に目が行きがちですが、意外と見落とされやすいのが「誰に教わるのか?」という視点です。
どれだけ教材が良くても、つまずいたときに相談できる人の質で、学びの深さは大きく変わります。
特に副業を目指すなら、現場に近い目線でアドバイスしてくれるメンターがいるかどうかは、案件をこなせる力をつけるうえでとても重要です。
たとえばこんな違いがあります。
質問をしたときに、すぐに正解を教えてくれるだけの対応だと、知識は増えても応用力が育ちにくい。一方で、なぜその書き方になるのか、調べ方や考え方まで教えてくれるメンターがいれば、自分で壁を越える力が身につきます。
これは副業でひとりで案件をこなすときに、とても大きな差になります。
もう一つ見ておきたいのが、コードレビューの質です。表面的な添削だけではなく、どうすれば読みやすく、実務で通用する書き方になるかまでフィードバックしてくれるかどうか。
どんなメンターがいるか、どんなレビューが返ってくるかは、体験会や無料説明会で実際に質問してみるのが一番確実です。
チェックしておきたいポイント
・メンターが現場経験のある人か(講師歴だけでなく実務も含めて)
・質問対応は、調べ方や考え方までフォローしてくれるか
・コードレビューは「直し方」だけでなく「理由」まで伝えてくれるか
・一人ひとりの進度に寄り添ってくれるサポートがあるか
学習の質は、教える人の質で決まります。わからないことが出てくるのは当然。それをどう乗り越えさせてくれるか。ここを重視すると、スキルだけでなく“副業で通用する実力”が自然と育っていきます。
5. 安さよりも、「挫折しない仕組み」があるかどうか
「できるだけ費用は抑えたい」
プログラミングスクールを探し始めたとき、多くの人がまずそう思います。もちろん、安くて良いスクールもあります。でも、副業として結果を出すことを考えると、もう一つ大事な視点があります。
それは「このスクール、最後までやり切れる環境か?」ということです。
実際、学習を始めた人のなかで、挫折してしまう人はとても多いです。原因はさまざまですが、よくあるのはこんなパターン。
学習初期はやる気に満ちていたけど、途中でエラーが解決できず、誰にも相談できずに手が止まり、そのままフェードアウト…。
この「つまずいたときに一人じゃないかどうか」が、完走できるかどうかを大きく左右します。
たとえば、次のようなサポートがあるスクールは、続けやすい仕組みが整っています。
・定期的に進捗を確認してくれる面談がある
・質問がしやすく、対応も丁寧で早い
・受講生同士の交流や、モチベーション維持の仕掛けがある
・学習のゴールが案件獲得など具体的に設定されている
安さだけでスクールを選ぶと、こうしたサポートが手薄で孤独になり、結果として学習が止まってしまうことも少なくありません。
一方、金額は高めでも、最後まで走り切れる仕組みがあるスクールなら、結果として「最短で案件獲得できた」「無駄な回り道をしなかった」と感じられることも多いです。
チェックしておきたいポイント
・「いつでも質問できる」だけでなく、実際の対応は早いか
・定期的に状況を確認してくれる機会があるか
・学習中に孤独を感じない工夫やコミュニティがあるか
・目的達成(案件獲得・転職)までの道のりが明確に設計されているか
価格の比較も大事ですが、それ以上に「完走できるか」という視点は、副業で結果を出したい人にとって見落とせない要素です。
まとめ:スクール選びは、技術より“仕組み”を見る
ここまで読んでくださった方は、もう気づいているかもしれません。
スクール選びで大切なのは、「どの言語を学ぶか」や「どれだけ安いか」といった表面的な比較だけではありません。
・目的(副業 or 転職)に合っているか
・学べるスキルが案件とつながっているか
・続けられる環境が整っているか
こうした視点で見ることで、「自分に本当に合ったスクール」が自然と見えてきます。
情報が多すぎて迷ってしまう人ほど、まずは自分が目指す姿と、それに必要な要素を丁寧に整理することから始めてみてください。
もし「自分に合ったスクールを比較検討したい」「どこが副業向きかもっと詳しく知りたい」と思った方は、こちらの記事も参考になるかと思います。
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